un deux droit

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2023年 今年の漢字


ようやく年末年始の休みが終わる。家族との時間をかけがえのないものと思う反面、回復力を平気で凌駕してくる疲労の蓄積に限界を感じていた。ドライカレー、天ぷら、肉じゃが、ハヤシライス、ピザ。いろんなものを作ったなぁ。もう、ほとんどシェフと化していた。平日が休日で休日が平日のような、あべこべな日常に目が回る。

明日は待望の仕事始めではあるものの、午前中に虫唾の走るイベントがある。全社での拡大オンライン朝礼会だ。午前中いっぱいを贅沢に使い、会長や社長や顧問の面白くない話を延々と聞かされる。まぁそれはカメラをオフにしてイヤホンを外して内職をしていれば済む話だ。一番嫌いなのは、社員が各々今年の漢字を一字選んで、それに絡めて抱負を語り合うワークショップだ。コロナ前は、色紙に書いて事務所に一年間飾っておく風習だった。今はそれがなくなっただけマシだが、代わりにズームの背景用のパワポがわざわざ用意されており、その背景に文字を記入して朝礼中表示させ続けなければならない。そして朝礼終了時点で全員分のスクショを撮る。この白々しい仲良し集団の演出が反吐が出るほど嫌いなのだ。

抱負を表す漢字なんか皆似たりよったりで、絡めて話すエピソードも毎年代わり映えしない。みんなネタに走ればまだ笑えるのだが、ちょっと変化球にしたくらいだとめちゃくちゃスベって寒くなる厄介な代物だ。

昨年の私は『兮』を選んだ。置き字。意味は勿論ない。今の気分を表す適切な漢字がなかったので、対応する日本語のない字を選んだ、と説明した。この企画を気に入っている会長は『兮』みたいな表情を浮かべていた。今年もこれを超える、どーでもいい漢字を選びたい。以下に、現時点で思いついている候補を記す。

『无』

平仮名の「ん」の元になった漢字。読みも意味も判然としない。その茫漠とした心境を表す字です。ついでに言えば、「ん」の由来ということで、今期でこの風習が最後になって欲しいという気持ちも込めました。

『鹸』

石鹸の鹸。石鹸でしか見たことがない。鹸単体の意味はまるで想像がつかない。これだけ汎用性がないのに、読めるという奇跡的な字。そんなニッチで、それがなければ成り立たない概念がある、そんな存在になりたいという気持ちを込めました。

『丫』

Yではない。実家に「字統」があって、最初のページに出てくる。二股ということで、今後のこの会社の帰趨を決する究極の二択のうちの一つを示す存在となれるように頑張ります。もう一択は会長のゴリ押しする数億円を投じた泥船です。

ぜひぜひ、今年の漢字に選ばれそうにもない絶妙に微妙な漢字をお寄せいただけたらと思います。なんかそれっぽい意味もこじつけて。