un deux droit

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追悼 小田嶋隆様

mainichi.jp

今年一番悲しいニュースの更新。誰かの死で初めてちょっと涙出た。

これがロスというやつか…ショックが大きく仕事に手が付かない。それほど自分にとっての『推し』でした。

内田樹作品にハマり、ツイッターをフォローしたり、ブログをチェックするようになってから彼の存在を知り、小田嶋節の利いた軽妙洒脱で痛快なコラムにのめり込んでいた。

いつか彼のような文章を書けるようになりたい。彼の文才に嫉妬する。

そんな憧れを私に抱かせた。

ブログを始めるきっかけになったのも彼だし、会社の取引先向けといった閉じた媒体ではあるものの、広報誌の誌面で特集記事の企画執筆などをしているのも、自分のおかれた環境の中で最大限彼の真似事をしているつもりだ。勝手に師と仰ぎ、自分の文章が褒められると「小田嶋隆のオマージュだよ」と吹聴して、コラムの購読やツイッターのフォローなどを促す工作員として密やかに活動していた。


彼の死の背景には病気があるのだろうが、コラムニストとしての生きがいも感じにくい世の中になってしまったのかもしれない。
彼ほどの腕を持って斬るにはあまりにも芸のない、あけすけな、身も蓋もない、巧みさのない、スケールの小さい、陳腐な悪が蔓延しすぎた。
トピックはある。むしろ溢れすぎているくらいだ。しかし、稀代のコラムニストとして血沸き胸躍る、「斬りがい」のあるトピックが枯渇している。

「また詰まらぬものを斬ってしまった」

そう嘆息させるような世相が、彼の病魔に打ち克つ気力を挫いてしまった。そんな気がしてならない。




「悪いことは悪いこととして、もっと上手にやるものだよ。そんな白昼堂々外法なことをしでかしてまわられちゃあ、咎め立てする方の立場がない。」

頬のこけた彼のアカウントの呆れ顔が、そうつぶやいているように見える。



はぁ、全然文才ないな。

ご冥福をお祈りします。