un deux droit

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英傑、中空に舞う

北京オリンピック、スノーボード男子ハーフパイプで、平野歩夢選手が金メダルを獲得した。

決勝しか見ておらず、技の名前もルールも得点の基準も知らなければ、なんなら回転数を目視できる肌の動体視力を持ち合わせていない、完全なにわか野郎であるにも関わらず、思わず感動してしまった。

まず、シンプルにジャンプがべらぼうに高い。圧倒的に滞空時間が長く、回転も一生懸命回ってます、という力みが全くない。まさに次元が違う、という感じ。何回巻き戻して見てもその都度陶酔してしまう美しさだった。

そしてこのドラマチックな展開。2大会連続銀メダル、という仕込みがあって、素人目には、あーもうこれで金いったわ、と確信させられた2回目の滑走で、まさかの点が伸び悩み2位止まり。そして3回目。全滑走の大トリというプレッシャーの中で、2回目以上に完璧な仕上がりの滑りを見せての逆転劇。強心臓すぎるよ…漫画でしかあり得ないような結末を実現してみせた。実力で現実をねじ伏せ、金メダルをもぎ取った。カッコ良過ぎて最高に痺れた。

思えば3回滑ってその中で一番高得点のスコアが採用される、というのはかなり特殊な競技だと思う。素人考えで行けば、3回に1回くらいしか完走できない競技ということなのかなと理解する。実際に決勝進出者の3回分のスコアを並べてみると、3本中1本が高得点、という選手がほとんどだ。そんな中で平野歩夢選手が3本中2本を90点台でまとめてくる安定感は尋常じゃない。実際、全員の3回分のスコアを並べたら1位と3位が平野歩夢選手で、延べで勘定すれば金と銅もらえる結果だ。それくらい圧倒的だったので、ほんと最後ちゃんと金メダルという結果につながって良かった。さて、寝る前にもう一回録画見よう。