un deux droit

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「資さんうどん」社長から学ぶ仕事の姿勢

福岡には「三大うどんチェーン」なるものがある。
「ウエスト」「牧のうどん」そして「資さんうどん」だ。

先日、その三傑の一雄である「資さんうどん」に行ってきた。資さんの強烈な個性の一つである「ぼた餅」をお土産に購入し、何の気なしにインスタに上げた。

すると、翌朝に目を疑う❤があった。資さんの社長アカウントからいいねをもらっていたのだ。
個人商店ならともかく、こんな巨大チェーンの社長がわざわざ過疎っているアカウントの投稿を一つ一つ見つけていいねをして回っているとはにわかに信じがたい。きっと「中の人」がいて、精力的に広報活動の一環で頑張っているのだろう。しっかりした広報部門がある会社はいいなぁと思い、そのスクショを貼って以下のツイートをした。

この投稿は引用ツイートでもなんでもない。だからこの投稿があったことは社長アカウントに通知が行かない。だから純粋な独り言だ。なのにまた数時間後に、社長アカウントから返信が届いた。


やべぇ、、この人本物やで。。。色んな意味で。。。ハッシュタグじゃなくてもツイート拾ってきよる。。。


正直、福岡に生活している者の視点からすれば、資さんのブランドは完全に揺るぎないものとして確立しているように見える。こんな拡散力のない場末の投稿に社長自らいいねをつけて回らなくとも、経営は安泰でしょうよ、と思ってしまう。実際、三傑のうちの残り2社の社長はツイッターのアカウントすらなかった。そりゃあたりまえ、雲の上の存在だもの…

この一件を受けて、これが凡人と非凡な人の差だなと痛感した。冷静に活動と効果を比較衡量してみれば、そんなことを毎日するなんて常識的に考えて効率が悪い、バカバカしいと思って、実行する人間などほとんどいないだろう。しかし、この常識が実は危うい。もっともっと冷静に突き詰めて考えれば、誰もやらなければやらないほど希少性が高くなる=価値が高くなるのだ。
企業公式アカウントで自社商品への投稿を一つ一ついいねして回っている会社なんか殆ど無い。それだけで、企業アカウントでいいねして回る行為は希少価値が高い。更にそれをトップである社長本人がしてまわるとなるとなお希少価値が飛躍的に高まる。しかし人の上に立つということは、そういうことをどんどん下々の者にやらせることができる立場でもある。その誘惑を絶ち自ら汗をかく(親指の操作で汗はかかないだろうが)というのは、普通の神経ではできない。誰だってたくさんお金をもらって、暮らしは悠々自適で、面倒なことは他の人にやらせて、ちやほやされるところだけ出張ってきて注目を浴びたい。そんな人間観を信じて疑わない私に、資さんの社長は水平チョップを喰らわせた。

「そんなんだから重用されないんだよ」

水平チョップの衝撃で目眩が収まらぬまま今週の仕事を始めたが、自分が社長のような熱量で仕事に打ち込むことはできないなと早々に悟った。人は何にでもコミットメントできるわけではない。自分の手掛けていることに心の底から価値を感じて、愛情が迸るくらいでないととても持続的な行動にはつながらない。
ではどうすれば良いのか。それは、気持ちの上がらない仕事で無理やり気持ちを上げるのではなく、気持ちの上がる仕事をちゃんと選ぶしかないのだ。世間体とか邪な損得勘定とか惰性で仕事を続けているようでは、あの熱量は生み出されない。自分は凡人のままで構わないのだけれど、一つひとつの仕事を安請け合いする前にもっともっと吟味しなければと反省した。
実際、手元にある仕事を見つめてみると、これをやると花形だとか注目されるとか感謝されるとか覚えがめでたくなるとか給料が上がりそうとかそんな副次的な要素ばかりで寄せ集まったジャンク品ばっかりだ。だから意欲も効率も成果もそこそこ以上のものが出ないのだ。

本来、仕事というのは「ボランティア」精神の発露なのだなと思う。見返りのあるなしで手加減するようでは仕事としての価値は低くなる。もちろん雇用関係においてはしっかり給料を払ってもらわないといけないし、経営者が「ボランティア精神」を従業員に求めると途端にブラック企業モード突入だけれど、働く人の心の中だけにはひっそりと、誰にもバレずに、「この仕事に携われることそのものが報酬なんだよね」と心底思える仕事をやっていきたいなと強く思いましたよ。

また資さん行くぞー!