un deux droit

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やらずの後悔が一番アホくさい

勤め先ではサイボウズを使っているのだが、今年の4月に営業体制が一新した際、課長が顧客の付替えをやるためのアプリを使用した。
何万件とある顧客のうち、どの顧客を実際に訪問していて、どの顧客は名簿にあるだけで放置したままなのかを洗い出すためのもので、営業担当が一軒一軒「訪問」「未訪問」とクリックしていくというあまりに頭の悪い仕組みだった。
アホくさいので誰も入力をせず、かといって「未入力が〇〇○件あります」の通知を消すには〇〇〇件の入力をしないと消せないので、鬱陶しいなと思いながらもその気持ち悪い状態を放置する、ということを営業全員が選んだ。

そしてはや半年。

課長は入力を催促するでもなく、少しは入力された分のリストだけでも活用するでもなく、「未入力が〇〇〇件あります」の死骸だけがトップページに浮遊する状態が半年続いた。私は東京本社にいないので本社のメンバーが誰か指摘しろよなと思っていたが誰も言わない。もはやその死骸が背景と化して誰のストレスにもならない状態になってしまっていたのだ。私自身もその死骸が意識の範疇外に追いやられていてストレスを感じなくなっていた。毎日毎時間目にするのに。人間の情報処理能力は恐ろしい。
で、久々に先ほどふと死骸の存在に気づいた。もう半年も放置していることになれてしまっている自分の異常さを恐ろしく思った。普段気にせずとも無意識下では微量のストレスとして蓄積されているはずの雑情報。認知した今除去しないとまたこの雑情報によるストレスにもう半年はさらされる羽目になる。面倒だなと思いつつも課長にDMを送った。もう使ってないならさっさと消してくれ、と。
連絡した2分後には「消しました」と連絡が来た。そのあまりのあっけなさに拍子抜けした。そんな数秒で判断できるなら自ら消せよ。なんで平社員に一言言われないと判断もできないのよ。てか平社員が一声上げただけで判断左右される施策ってなんだよ。死骸は課長のトップ画面にもずっと表示されていたはずで、ものの数秒で消せる通知を営業全員のトップ画面にずっと垂れ流し続けていたことに何の痛痒も感じないのか。色々憤慨したがとりあえず目的は達成したので課長の存在ごと忘却の彼方に押し込めることにする。

それにしても営業は40人いるけど半年も誰も声を上げなかったんだなということに呆然とする。この会社に勤める人の不感症っぷりを心配している。多分情報のシャワーにさらされすぎて脳が何も感じなくなっているのだと思う。誰か通知が消えたことに気づく人は現れるだろうか。