un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

持て余す幸せのひととき

妻の機嫌がすこぶる良い。生理前なのに。生理前の土日を平穏無事に終了できたのはいつぶりなのだろう。涙出そう。
機嫌が良いというのはいつもニコニコ笑っている、という意味ではない。もちろんいつものようにプリプリと、全方位的に怒りを放出している。しかしそれが持続しないのだ。ネチネチと何遍も同じ話をループしてうんざりしたこちらの会話上のケアレスミスを狙い、次の炎上の燃料にするという永久機関モードの陰湿さがない。嫌味を一言述べるだけで鎮火する。これは機嫌が良いと判定して差し支えない。
これくらいの問答で毎回のやり取りが済むのならばこちらも変に身構えて過剰防衛反応を示す必要もない。妻の小言に対する私の反応が穏やかになり、それがまた妻の感情の収束に一役買う。なんて素晴らしいグッドサイクルだろう。でも一般的な人間関係ってそもそもこんなもんじゃないかと思うけれど。今はそんな贅沢を言わずトリクルダウンしてきた小さな幸せを何度も噛み締めたい。この程度のポカならこの程度の怒り、という私にとっての相場の範囲内に妻の反応が収まる当たり前が嬉しい。理不尽な境遇に晒されていないことが社会的動物にとっては生きる糧なのだ。
妻のPMSの薬が効果を示してきたのかもしれない。体に薬が馴染むまで2ヶ月くらいの継続作用が必要らしいが、ちょうどそれくらい経過した頃合いだ。製薬会社の皆様の努力には感謝しても感謝しきれない。

この幸せなひとときがあまりに突然訪れたので、まだ私がうまく対応できていない。何かつまらぬポカで台無しにしてしまわないよう早めに寝室にこもっているのだが、なぜが妻が何度も用事で話しかけにくる。私はその度に脊髄反射でビクッとなってしまう。骨の髄まで染み込んだ恐怖心はそう簡単に解毒できない。