un deux droit

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自信の根拠はいずこに

これまで妻から何度も、自分は発声が悪い、口が十分に開いていないとダメ出しをされてきて不快に思っていたのだが、不意に自分の喋っている動画を見る機会があってあまりのひどさに愕然とした。
唇が満足に動いておらず、時折音が消えいる。語尾はほとんどないに等しい。私は発話者本人だから内容は頭で補足できるが、他人には理解がとれないだろう箇所がいくつかあり、実際にその時は変な間が空いていた。リアルタイムはきっとみんな思案しているのだろうと思っていたのだが、録画を見ると、単に私の話の不明のために場が滞っているだけだった。
これはやばい、と早速唇を意識しながら話してみるが、全くうまくいかない。発音したい音に口の形がついてこない。極端な話、前の音の口の形で次の音を発声しているような感覚。頬の筋肉が発話のスピードについて来れない。
昔はここまでひどくなかった気がするので多分に心因性の問題だと思う。妻の人格攻撃や、会社で冷や飯食いを続ける中で自己肯定感がポッキリ折れ、自分の発話する内容に相手が価値を感じてもらえるか、自信の基盤が少しずつ侵食されてきたのだ。会う人会う人に「私と会うことには価値がなく、私の話は退屈で、時間の無駄と思われているのではないか」という不安が常に頭の中を渦巻いている。もしかするとオンラインで顔を合わせると表情が乏しく見えて不安感を増幅させるのかもしれない。
中年になるにつれ、自信には裏付けが必要になってくる。社会からスポットライトを当てられるのは一握り。おそらく自信がなくても平静でいられるふてぶてしさがあったほうが生きやすいんだろうな。でも当人はいいけど、それで周りは迷惑しているのも事実。早く自分の中に拠り所を見出したい。