un deux droit

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福岡 春日「武蔵そば」

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蕎麦という食べ物は、外食としてはとてもバランスが難しい。
「美味しくないがとにかく安い・早い」
もしくは
「めちゃくちゃ手が混んでいて美味しいが、高い・少ない」
の二極に振れて、ちょうど中間のお手頃で美味しい地元の蕎麦屋、というのがなかなか見かけなくなっているように感じる。もちろん見た目だけは地元の蕎麦屋感を残しつつも、いざ入って食べてみると立ち食い蕎麦並のものが出たり、意外と1000円越えしてくるのねという形で前述の二極のどちらかに寄ってしまっている。福岡の蕎麦文化が弱いというかうどんが強すぎるためか、中間領域の厚みがない。

そんな中で武蔵そばは貴重な「ど真ん中」のポジションを堅持している。ザ・故郷の味。中でもノスタルジーを感じさせる甘めの出汁のカツ丼は必食。ざる蕎麦のつゆもこだわりをやりすぎてない感じが絶妙なバランス。定期的に食べたくなる優しさがある。