un deux droit

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持て余す自由

連続5日目の口論で家を追い出された。少なくとも明日の朝までは帰れまい。精神的なショックもそこそこに、取り急ぎ今晩の宿を押さえる。我ながら手慣れたものだと情けなくなる。
今冷静に振り返ってもなぜこうも妻に心を頑なにしてしまうのか、自分でもメカニズムが解明できない。妻の言い分がどれほど狭量でも笑い飛ばしてごめんごめんとヘラヘラ頭を下げれば良いではないか。妻からも、散々口論した挙句に頭を垂れると、最初からその態度を取れと言われる。その言い様が腹立つがまさにその通りである。
残念だけど、自分も妻に対して感情が擦り切れているのだと思う。理不尽を乗り越えるための愛情が湧いてこない。なんであんたの言い分をそんなに呑んでやらなければならんのだ。そう突っぱねたくなる衝動が抑えられない。理屈や難度は関係ない。ただあなたから口を挟まれることそのものが許せない。もうそれくらい感情の弾力が無くなってしまっている。
きっと妻もそうだろう。なのに、あなたを思ってこそ、とか、信頼しているからこそ、みたいな都合の良い理屈を並べて口を噤めない言い訳をしているのが腹立たしい。なんで自分だけ良い人ぶるのか。まぁそれもどうだって良いけれど。
喫緊の問題は薄手の服で出かけたのに肌寒い気候になってしまったので上着を買う必要があることと、独り身になってやりたいことが特にないことだ。長期刑の囚人じゃないけれど、自由をもぎ取られ統制の中で長く過ごしていると自分の欲求が完全に機能しなくなる。みなさん結婚はくれぐれも慎重に。多かれ少なかれ人格を手放すことになろうから。