株式会社の本質とは如何なるものか、それを「病」という表現を使って説明した本。大胆でスリリングな断定の連続に、かなりの情報量のボリュームがあるにもかかわらず最後まで飽きずに読めた。人間の欲と金をあまりに効率よく増幅させてしまう株式会社の特性は確かに「ガン細胞」的であるなと感じた。人間の理性は手綱としてあまりに脆い。株式会社存立の大前提である需要が頭打ちなのに、定常化する仕組みは生来持ち合わせてない。さてどうしますかね、ってところで話は終わり。その突き放し方と、「世界史」というタイトルから、もう本来的には役割を終えた「過去」のシステムなんだよ、という主張が示唆されている。賛否はあるだろうけど非常に刺激的な内容であることは間違いない。
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