この人の小説は一度も読んだことがないが、エッセイはよく読んでいる。徹頭徹尾醒めた目で、低いテンションで、社会の構造や人間の本性を眺めている。承認欲求と無縁の人の文章は本人の個性が純度100%になっていて面白い。
内容については、お金との付き合い方、使い方についての持論が淡々と述べられている。生活に必要な支出を超える分については、叶えたい欲求が先にあって、それを叶えるために金を貯め、使うという順番が正しい。叶えたい欲求が少ない、あるいは欲求を叶えるために必要な支出が少なければ、必然、要する収入も、労働も、時間の拘束も少なくなる。好きなことだけをやるのに人生を費やすことが最良。その意味において、すでに自分は人生に満足している。
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