un deux droit

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隣り合いながら互いに見えない世界

私が朝から次女と砂場で水浸しの泥まみれになってトンネル掘りに没頭していた頃、東京で暮らす大学の先輩はブロックチェーンがどうのこうのというイベントに参加してこれから到来する未来のビジネスシーンのデザインに熱狂していたらしい。私がfbに投稿したトンネルの写真と、先輩が投稿したイベント会場の様子がタイムライン上に並んで、俺は一体何をしているんだろうという気持ちになった。同じゼミで学び合った仲だが、かたや実態不明瞭な世界にどっぷり浸かり、怪しげな会社を怪しげな肩書きで転々とし、かたやひたすら幼稚で原始的な遊びに耽り、生傷を負い虫に刺されながら自然とがっぷり四つで対峙している。とても同じ世界を共有しているとは思えない。自分が思いっきり時代に取り残されているような焦燥感と、現実世界にしっかりと地に足がついている安定感が心の中に同居して気持ちが悪い。どうやって成立しているのかまるで検討もつかない生態系が互いに干渉しない距離で乱立している。あまり眺めていると酔ってくるのでSNSは開かないに限る。あー子どもかわいいかわいい。