un deux droit

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営業活動が全社的に停滞する理由

勤務先は引き続き壊滅的な状況が続いている。前年比6割の売上高しか見込めぬまま上半期を折り返しそうだ。年度初めの予測値から微動だにしない。様々な施策を打ち出したものの効果が表れないのだ。
特に顕著な問題は、営業の足の鈍さ。訪問件数が全く伸びない。半分ストライキと言ってもいいレベルだ。みんなお通夜みたいな顔をしながら、それでいて頑なに訪問件数を増やさないんだからもうあれは狙ってやってるな。

取締役に名を連ねる同期と会議をする機会があったので、最近どうよと茶々を入れてみたところ、溜まっていた鬱憤が一気に吐き出された。

「自分で自分の給料を稼ぎ出す意欲が無い」
「できない理由ばっかり並べすぎ」
「結果が出なくても責めない、でもそもそも行動しないのは論外」
「求められている役割をなんで簡単に放棄できるんだろ」
「給料欲しくないんかな」
「会社を支える気概がない」

見事なまでに会社人間に染まりきっていてかける言葉もなかった。

そもそも論として、人はむやみに傷つきたくない。だから商談不成立の数はできるだけ減らしたい。そうなると、断られる可能性の高いお客さんへアプローチしたくないのは自明のことだ。仕事なんだからやれ、では人は動かせない。
成果を出している人の行動特性で訪問件数が平均より顕著に上回ったから訪問件数をKPIにして何が悪い、と息巻いていたが大いに悪いよ。訪問件数は結果であって、なぜその人がそれだけ訪問を苦としなかったのか、その原因を検証してその環境を作ることが先決だ。
まず、成果に応じて適切に処遇される、という詭弁を手放さなければならない。基本的に営業個人が挙げた成果の果実はその上司が美味しくいただく構造になっている。営業個人の給料や役職に跳ね返ってくる部分はごくわずかで、大半はマネジメントの手柄として掠め取られてきた。なので、マネージャーが兵隊を激励するのは、自分の懐を肥らせるためだ、という魂胆が見え透いている。だから面従腹背が発生する。
次に、営業が売りたいと思う製品、サービスの開発だ。いくら自分の成果につながるからと言って粗悪品を売り付けて心が痛まない人間は少ない。商品が劣化していることを直視しなくてはならない。もちろん人によって価値観の共鳴する商品やサービスはまちまちであるから全部の商品を一人で扱うのではなく得意・関心分野を重点的に磨くことも忘れてはならない。
最後は、納品物に対する当事者性の回復だ。営業が顧客と商品やサービスを作り上げる余地を残すべきだ。このレベルに達すると仕事への従事そのものが報酬となる。仮に失敗してもその責任を抵抗なく引き受けられる。リスクをとることが抵抗なくなる。そして、会社からの評価や報酬はさほど重要でなくなる。どうせジタバタせずとも後から勝手についてくるけど。
ここまで仕組みを設計してはじめて営業個人の資質に文句をつけて欲しいものだ。世のビジネス本も、売れないのは営業個人の自己責任、努力や工夫不足と決めつけすぎだ。営業一人一人の人間性を尊重せず、好奇心を引き出せなかった失敗の責任をマネージャーにもっと取らせなければならない。