un deux droit

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酒が入らねば腹を割って話せない、というけれど

営業先で、お客さんから「飲み会が開けなくて社員の本音が拾えない」という嘆き節を聞いた。
そうっすよね〜、大変っすね〜、と一応話は合わせたものの、正直に言うとその言説に共感できなかった。私は普段酒を飲まないが、同僚とのコミュニケーションに苦労した覚えが全くないからだ。昼間だろうが夜中だろうがいつでも本音モード。素面でズケズケとものを言う。酒の場と違い、その場の勢いもなければ理性が吹っ飛んでいるわけでもないので、相手方は私の発言を受け流すわけにはいかない。しっかりと正面衝突をして、がっぷり四つで問題解決に取り組む。それで何の支障もない。酒の場で語った不満や理想の方が、具体的な形として成就する可能性が低いのだから、本当に語り合いたい事は素面に限る。私はそんなふうに考えている。
酒が入れば気が大きくなり、思考も短絡化するから、普段より切れ味鋭い言葉を言った気になって確かに気持ちは良い。その気持ち良さは私も知っている。けれどもその場で語られたことが実際の現実でなにかしらの形となって成就する事は驚くほど少ない。酒の効果で絆が深まるんだとして、その絆が何かその次の価値を生み出さないのならそれはただの腐れ縁だ。何か具体的な困難に立ち向かうために腹を割って語り合う必要があるのならば、素面で正々堂々とやるべきなのだ。
杯を交わせば心が通うと信じている人は、ある意味でアル中なんだと思う。酒の力を借りずに人と向き合って行こうよ。口先で歩調を合わせていないで、本当はそんな言葉をお客さんにぶつけた方が良かったのかもしれない。社外でもズケズケ言うのが本当にいいことなのかは今ひとつ確証がないけれども。