池江璃花子選手の近況がニュースで報じられているのを目にした。
病の無慈悲さと、それをものともしない溌剌とした笑顔が、一枚の写真の中に同居していた。
その鮮鋭なコントラストに、思わず息が詰まった。
彼女の一日一日を懸命に生き抜こうとする姿を前にして、ぶつぶつとくだらない不満を吐き出しながら、鼻くそほじって日々の時間を垂れ流している己の醜さを、ただただ恥じ入るばかりだ。
「あなたは自分の人生を存分に生き抜いていますか?」
口汚い表現を使えば、
「なに余裕ぶっこいちゃってんすか?」
彼女の写真は、見た人一人ひとりにそう鋭く問いかけるパワーを持っている。
何か駆り立てられている感じ。
自分にできることと言えば、とりあえず腕立て。
体を存分に酷使できることに感謝を唱えながら。
サボって生きてんじゃねーよ、と自分を罵りながら。