un deux droit

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体は正直

おとといの深夜のことだ。最初は単なる虫刺されかと思った。

ただ、いつも刺されるようなところじゃないから変だなあという違和感は初めからあった。左乳首の下と、右脇腹。変わった趣味の蚊だなと思った。

しばらくすると、右足太ももの付け根に痒みを覚えた。またしても普段は刺されない変な箇所だ。ひょっとしたら蜘蛛とかダニの類かもしれない。ズボンを下ろし、該当箇所を確認すると、右足から臀部にかけて北斗七星の如く赤い斑点が連なっていた。なんだなんだ?焦った私は痒みを覚える箇所に手当たり次第ムヒを塗ったくり、効き目があるかはわからないが虫除けスプレーを噴霧して、朝には沈静化していることを願った。

翌朝、痒みは治らないどころか、左二の腕、左足付け根、陰部の付け根、そして目と鼻がやたら痒くなってきた。自分の全身を鏡で確認すると発疹がさらに広範囲に広がっていた。発疹をよくよく注視すると、虫刺されのような水ぶくれはなく、どちらかというとミミズ腫れのような様相だ。ここにきてようやく私はこれまでとは別の可能性に思い当たる。

 

「これ、蕁麻疹ってやつじゃね?」

 

すぐに皮膚科を受診すると案の定ビンゴ。薬を処方され現在なんとか沈静化に向かっている。

原因は明白、完全に心因性のもの。なぜなら最初の発疹に気づいた深夜から遡ること6時間ほど前、私は妻から手酷く殴られていた。現在に至っても殴られた後頭部と腕には腫れと痺れが残っている。

今回は流石に命の危険を感じた。投げられてきたもので骨折の可能性もあり、第三者を呼ぼうとする寸前までいった。自分からヘルプを求めるまでもなく、近隣住民から通報されてもおかしくないくらいの金切り声と騒音が長時間発生していたと思う。どうやって収集をつけたかあまり記憶にないが、日本語に存在する限りの侮辱語を浴びせられ、思いつく限りの屈辱的な謝罪を重ねたはずだ。上の子は実家に預けていたからいいが、下の子はすべての惨劇を見ていたし、聞いていた。今後の生育に影響がないことを願うばかりだ。

今回得た教訓は、とにかく狂人をまともに相手してはならない。取るべき手段は全力で逃げるのみ。言葉が通じるようになるまで時間を取るしかない。発狂の原因分子である私が空間から取り除かれれば冷静さを取り戻すし、幸い子供に手を出さない理性はあるようなので、そこを信じて勇気ある撤退を今後は選択したい。

それにしても、精神的には相当鈍いと自認していた私にも蕁麻疹が出ることがあるのが驚きだ。鬱病なども人ごとではないのかもしれない。

今までは親の債務を放棄してはならないという一心から解決までその場に留まり続けたが、精神が崩壊してしまえばその努力もどのみち無意味になる。この場から逃げたい、という体からのサインに素直になることを自分に許そうと思う。