un deux droit

このブログには説明が書かれていません。

名刺交換会付きフォーラムに行ってきた話

柄にもないことをするんじゃなかった。

詳細は伏せるが、テーマに興味があったし、無料だったので、気安く申し込んでしまった。


鼻からうさんくささはあったのだ。

まず告知のホームページが必要以上にオシャレであること。

なのに無料であること。

随所に散りばめられている主催企業の商品告知。

そして名刺交換会の時間。

安っぽい商売の匂いしかない。


通常状態なら絶対引っかからないのだが、

昨年度の仕事が不調であったこと。

同期の中で順調に昇格が遅れていること。

社内とごく限られた社外との閉鎖的な人間関係に埋没している日常に危機感を覚えたこと。

そういった諸々が焦りを生んで、何か変えるきっかけが欲しくて参加のクリックを押してしまったのだ。


果たして内容はどうだったか。

会場は一流のホテル。

TED気取りの演出。

テーマに言及しているようで結局自社商品の紹介しかしていない主催企業の基調講演。

テーマに言及しているようで結局その商品を褒めているだけの、取引企業との接待パネルディスカッション。

有名なだけで全然テーマと関係ない著名人の客引き公演。

そして結局みなさんこれが目的でしょという主催側の下卑たお膳立てで開始した名刺交換会。

そして本当にフォーラムのテーマなど関心もなく、ただただカモを探すハゲタカのような参加者の数々。

ここまで清々しい茶番劇に出くわしたことは自分の記憶にない。


テーマについて議論を交わし、知恵を共有して、人間的に互いに通じ合い、それが高じて慎ましやかにビジネス的な大人の付き合いに発展していくこともあったらいいな…といった青臭い期待は粉々に粉砕された。


ただし得た教訓もいくつかあった。

不調の時にはろくな判断をしないので、黙って大人しくしている方が良いということ。

不調の解消を安易にアウトソースするべきでないということ。

価値あるものはお金を払わなければ手に入らないということ。

無料の世界にはゾンビしかいないのだ。