un deux droit

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育休の目的

私は現在育休を取得している。

保育園も無事に決まり、ならし保育を経て、

遅くとも5月には職場復帰する予定だ。

生後2ヶ月くらいから今日まで約9ヶ月メインで面倒を見てきたことになる。

育休を経験した男性の中でも、期間の長さという意味でもなかなか豊富な経験をしたと実感している。

 

そこで、これから育休を取ろうと考えている希少な男性に、育休を取る上で準備しておいた方が良いこと、考えておいてほしいこと、覚悟した方が良いことなど、自分の意見を雑多になるがまとめておく。

 

私が育休を取得した目的

世帯収入の確保。我が家においてはこれに尽きる。

夫も親の役割を認識すべきだとか、妻の産後サポートをしたほうが今のご時世の良き夫像であるとか、そういう感情的な、美しい理由で育休取得を考える男が多いかもしれないが、私はかなり無機質かつ打算的な理由で育休を取得した。

 

具体的に言うと、私と妻の双方が正社員として安定した給与を確保するためには、私と妻で出産育児に伴う仕事軽減あるいは休業期間の偏りを均した方が良いと考えたのだ。

 

女性は女性というだけで、妊娠してから7ヶ月くらいは身体が不自由・不安定になり、業務の軽減が配慮される。出産してからも体力回復までは時間がかかる。最短でも出産前後でトータル1年は仕事が満足に出来ない。そこに育休を追加したら丸々2年はキャリアが断絶する。じゃあ育休分の断絶は夫である私がかぶってざっくり数えて1年ずつ休みましょうというプランを我々夫婦は採用した。

 

我が家は夫妻とも中小企業勤めながら正社員で、同じくらいの給与なので、ダブルインカムにすれば「同年代の、夫が大企業勤めの専業主婦家庭モデル」よりも世帯収入はリッチである。

この状態を維持するためには、私休んで職場で白眼視されたリスクの方が、妻が周辺業務に回され非正規雇用に転落するリスクよりも安上がりと計算した。これが私に取っての最大の理由。

 

これを妻の視点から見れば、似ているようでちょっと違った理由になる。

私の妻は、とにかく仕事していないと死ぬんじゃないかという変な人間だ。予定日の1ヶ月前まで働いていたし、産後休暇の56日が明けたら即復帰を望んだ。その妻の意向に私は従い、休業期間をかぶらせる事なく、私がバトンタッチして育休に入った。

育休中に出逢った母親達にそのエピソードを話すと、全員が「ありえん」というリアクションをするが、私の妻は本当に産後57日目から元の職場へ乗り込んで行ったのだ。

勿論体調も万全ではないのに、だ。

それだけキャリアの断絶が嫌だったのだ。

妻のキャリアの断絶回避≒世帯収入の安定ということで利害が一致し、めでたく私が育休を取る事になった。

 

とまあ、妻の例は極端にしても、出産は望む一方で、出産に伴うキャリアの中断期間を出来るだけ短くしたいと考える女性は徐々に増えてきていると思う。

男女の性差はあれ、同じ人間。男が手に入れたいものは女だって手に入れたいのだ。

ただでさえ身体的なハンディキャップが女にはあるんだから、男側の私が多めに譲ってやっとトントンかなというバランスを取ったというところだ。

つまり、我が家では夫妻間の公平性がその存続のためには重要な要素だったという訳だ。

全ての家庭に当てはまる落としどころとは思えないが、同じような結論に到達する家庭が増えたら良いなと思う。